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アンチ・オール電化

クロ現「追跡!チケット高額転売の舞台ウラ」を見た

10/12に放送されたNHK クローズアップ現代プラス「追跡!チケット高額転売の舞台ウラ」を見ました。最近、とみにチケットがご用意されないことが多いこともあり、チケット転売について考えてみたいと思います。

さて、皆さんは「積む」ということについてどう思われますか?チケット求むツイートを見ていると、特にジャニーズ界隈において「代金は上乗せできます」と書かれているツイートがよく見られます。それくらい、積む文化が一般化しているのかなと思います。アニメや声優の界隈では、人気公演の当落が出るたびにチケキャンやヤフオクでの出品の通報方法が数多くRTされるのと比べると、転売チケットの入手に対する考えの違いが明らかになり、興味深いです。


私はあまり積まないおたくですが、積む気持ちもよくわかります。普通にチケットが取れる公演でも、良席を求めれば積まざるを得ませんよね。
「絶対良席で見たい」「演者から顔が見える距離じゃないと入る意味がない」というおたくもいるでしょうし、最近よくあるLIVE付きの舞台だと、ファンサもらえない席よりはもらえる席の方がいいし。

チケットキャンプの隆盛により、チケットの取引がヤフオクよりもずっと容易に行えるようになったこともあり、転売マーケットは500億円にも登るとされています。音楽業界は危機感を抱き、「転売NOチケット転売問題」キャンペーンなどの活動を行なっているようです。しかしこの「転売NOキャンペーン」には、わたしは違和感しか覚えませんでした。
このキャンペーン、結局ユーザーに対しては高額のチケットを買わないで!!!!と呼びかけているだけに過ぎないんですね。業界の方は、適正な価格でユーザーが音楽を楽しめることで、ライブ文化の裾野を広げられると考えているようです。仰ることはごもっともなのですがじゃあ実際に対策はなされているか?というと不十分だと思います。

アーティストによっては身分証確認や電子チケットで転売対策を行なっているようですが、普及しているとは言えず、転売対策が叫ばれるようになってから何年か経過しましたが転売市場は野放しのまま、といった印象です。そんな中で、業界が「転売チケット買わないで><」と呼びかけるのは、ユーザーのモラルに訴えかけるだけで被害者ヅラをしているようで、納得がいかないし正直不愉快ですらあります。

チケットキャンプを見ていて思うのは、いわゆる転売ヤーと呼ばれるような事業で転売を行う人よりも、出品者の評価欄が30〜40くらいの一般ユーザーがチケットを、そこそこの額で転売していることが多いことです。一部のファンはチケットを転売して得た利益で良席を買っていることは番組でも紹介されていました。

これについては、なかなかどうしようもない問題だなと思います。組織的買い占めは、アクセスの遮断などの対策もできるでしょうが、おたくの良席で見たい!とか、回数入りたい!という気持ちは変えようがないからです。

また、身分証確認を徹底すれば転売の抑止になるでしょうが、そうすると突然チケット買った日に用事が入ったときや、枚数買ったけど作品が肌に合わなかったときに困ります。

結局、転売禁止を叫ぶ前にもっと対策をしろ、ということです。身分証確認や電子チケットという手段があるのに、それをしないでユーザーの良心で解決しようとするのは甘えだとすら思います。高い額を積んででも公演に入りたいおたくの考えを変えるのは、どんなに転売NOを叫んでも無理なので、だったら何らかの手段に出るべきです。今の転売の横行は、対策に必要なコストをケチってきたツケだとわたしは思います。

随分長くなってしまいました。最近落選続きで各プレイガイドに溜まったヘイトをぶちまけてしまったかもしれません……みなさんも求めるチケットがご用意されますように。