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ガスコンロの火

弱火のおたくのブログです

好きな演出家のこと

好きな演出家、小池修一郎先生の話をします。

もともと宝塚の座付きの演出家ですが、東宝制作の作品の演出を手がけたり、最近は韓国で上演されるミュージカルを作ったりしている。去年やっていた宝塚の「るろうに剣心」の演出家と言えば分かりやすいかもしれない。
有名どころだと宝塚と東宝の「エリザベート」、「モーツァルト!」なんかを手がけている。

私はこの小池修一郎、通称イケコといわれる演出家が凄く好きz
宝塚付きの演出家を、宝塚特に知らないお前が語るなよ!と怒られてしまいそうだけれど、どんなところが好きか紹介したいと思う。


1.美の追求がすごい

最近のイケコ演出作「ロミオ&ジュリエット」「」「1789」「エリザベート」…どれを取ってもビジュアルの説得力がすごい。例えばロミジュリではロミオとジュリエットは互いを一目見ただけで激しい恋に落ちるが、その「一目惚れ」に凄まじい説得力がある。「ああ、これなら好きになってしまうわ…」みたいな。 そんな煌めきがある舞台をつくる人だ。*1

もちろんお芝居だから演技で説得力を持たせる、というのもアリだと思うけれど、私は顔が良い人が好きなので、ビジュアルの美しさを超重視してしまう。

イケコの作品に良く出る役者、通称「イケコレ」(小池修一郎先生のコレクションの意)の人々はみな背が高くスタイルが良く、そして顔が本当に綺麗!!そして小池氏は、その美しい役者を、最も美しく輝かせる舞台をつくると思う。それは王侯貴族の役でも、一平民の役であろうとも変わらない。

衣装や髪型ももちろん豪奢だ。例えばエリザベートやマリーアントワネットといったお妃のドレスが煌びやかなのはもちろんだが、モブのアンサンブルの衣装もとても拘ってれ&いると思う。私がとりわけ凄い!と思ったのは「エリザベート」の皇帝夫妻の結婚式に参列した貴族の衣装だ。舞台中に豪奢な衣装を纏った男女がひしめくのは壮観である。*2これも先述した「説得力」の要素の一つかもしれない。



2.見つける役者がすごい

例えばミュージカル界のプリンス、井上芳雄さんがデビューしたのは「エリザベート」のルドルフ役でだし、「ジャージー・ボーイズ」などの中川晃教さんを19歳の時にミュージカルの世界に引き込んだのは小池氏だ。今ミュージカルの世界で活躍する役者には小池氏に見出された人が割と多くてびっくりする。「この人は将来伸びる!」というような何かが見えるのだろうか……

エリザベート」のルドルフ役*3は「若手俳優の登竜門」と言われているらしく、確かに東宝の歴代ルドルフには前述した井上芳雄さんのほか、浦井健治さんや伊礼彼方さん、田代万里生さん、平方元基さんといったミュージカル界のスターが並んでいる。
逆にルドルフという役はこれからミュージカルで活躍する!という役者が選ばれると言えるわけでで、今度はどんな人が見出されるのかが楽しみです。


3.作品造りがすごい

「(作品を作る際は)お客様のニーズに応えていきたい」とかつてインタビューで言っていた*4ように、まさに小池修一郎氏は徹底したエンターテイナーだと思う。観客がミュージカルに対して「夢の世界」を期待して劇場を訪れることに対して、それに衒いもなく美しい作品で応える。その姿勢が好きだ。
商業演劇らしい、といえばそうなのだけれども「売れるものをつくる」というテーゼで作品をつくり、それを実際に売れさせることは簡単ではないと思う。「観客が好きなもの」として作られた作品を本当に好きになってしまうのは、ひねくれ者としては少し悔しいけれど。

エリザベート」「1789」「ロミジュリ」「スカピン」のような海外ミュージカルの翻案を行う時の作品選びも好きだ。どれも客が好みそうな、ちょっと少女漫画の香りのする物語だけれど、例えばエリザでは生オケでクラシカルな音楽、1789やロミジュリでは打ち込みによる現代的な音楽…のようにテイストが毎度異なるため飽きることがない。

硬派な政治劇のウィーン版「エリザベート」を皇后シシィと黄泉の帝王トートのラブロマンスの物語に変換したような大胆な翻案や潤色も私は好きだ。原作が好きな人からすれば少女漫画アレンジしやがって…と思うかもしれないけれど、私は


人生で最初に触れたミュージカル作品は宝塚星組の「スカーレット・ピンパーネル」の映像だった。その頃は舞台に全く興味がなかったので面白いな〜とか思いながら適当に見た覚えがある。演出家の名前なんて当時知るはずもなかったが。
「イケコ」という名前を意識したのは、2015年の東宝エリザベートを見たとき。身内がイケコ演出だから見に行く、というので一緒に連れていってもらった。その時の衝撃は一生忘れられそうにない。こんなに美しい世界を舞台では作り上げられるのか、と溜息をついた。同時に私は推しのことが好きになり、足繁く劇場に通うミュージカルおたくになった。

自分とミュージカルの出会いのきっかけ、推しを知ったきっかけには小池修一郎氏の作品があることから、強い思い入れがある。
5月には、日生劇場では新作の「グレート・ギャツビー」と東京宝塚劇場で「スカーレット・ピンパーネル」の2本のイケコ作品が上演され、さながら日比谷春のイケコ祭りといったところである。楽しみだな〜!!*5

*1:偏執狂的なまでのビジュアルの造り込みは少し2.5作品に通じるものを感じる

*2:機会があったらDVDで見てほしい

*3:主人公エリザベートの息子である皇太子。革命に失敗し母親に見捨てられて自死する、ひたすら美しい役

*4:http://ent.living.jp/column/nakai/55558/4/

*5:昔の宝塚のイケコ完全オリジナルの数々の作品は結構な駄作が多いと聞かされたけど、駄作だからか(失敬)なかなかスカステでも放送されないけどいつか絶対見てみたいと思う