ガスコンロの火

アンチ・オール電化

7・8月観劇録

お久しぶりです。気がついたら10月ですね(遅いよ)
この夏は古川ロベスピエールへの愛を拗らせてパリに行ったため充実しておりました。(計画を立てた時点では古川くんがロベスピエールやると思ってた やめようこの話は) ロベピエオタクツアーについてはいずれエントリを書きたいと思います。めっちゃ充実した夏だった!

レ・ミゼラブル

レミゼのチケットとりあえず取ったんだけれど上原理生くんのアンジョルラスも見たかったんだよね、と知り合いに話したら「今年で多分最後だから見たほうがいいよ!」と譲って頂けました。おかげで吉原バルジャベの両方も見ることが出来ました。個人的には吉原バルジャン岸ジャベが好きな感じでした。岸ジャベールからほんのり漂う官僚っぽさとノーブルさが好きなのかもしれません。肝心の上原アンジョですが、出て来た瞬間「めっちゃりおくんじゃん!」と思いました。役者が前に出て来ているという意味ではなく、上原くんそのものがアンジョで、アンジョが上原くんである…みたいな。役者と役の強い共鳴が、アンジョルラスとおう人物の持つカリスマ性に説得力を与えているようでとてもよかったです。歌声や演説の力強さと、死して荷車に乗せられた姿のキツい対比も、「強そう」な上原さんだとより胸に迫るものがありました。とても良かったです。

レミゼという作品は好きですが、1幕の苦しさと観劇し終わったあとの重さとでもう2度と行きたくない!という気持ちになります。もう勘弁と言うと貶しているようですが、そうではないんです。作品の登場人物にいちいち同情したり感動したりと大変忙しく疲れてしまうのです。これはある意味、「もう見たくない」が褒め言葉になる稀有な作品ではないかな…と思います。

ちなみに、私の好きなシーンは司教が燭台をバルジャンに与えるシーンと、天に召されたバルジャンをねぎらうように司教が肩を叩くシーンです。聖書に「憐れみ深い人は幸い/その人は憐れみを受けるだろう」という言葉があるのですが、私はその意味するところをレミゼを見て初めて本当にわかった気がします。バルジャンは司教の憐れみ——憐憫ではなく——を受け改心し、人生の全てを他者への「憐れみ」の実行に捧げます。そんなバルジャンの生を司教が祝福しに表れるの、まさに魂の救済だな〜と思いました。いちいち表現が宗教宗教していてちょっと引きますね。
*1

とまあ、レミゼのことは好きなのですが、マジでもう2度と見たくないです。でも、再演ではまた行くしその時も「もうレミゼは見ねえ〜〜!!」と言いつつ涙を拭いてそうな気がします。

・Beautiful
帝国劇場 ミュージカル『ビューティフル』
シンガーソングライターのキャロル・キングの半生のミュージカルなんですが、無学ゆえにキャロルキングって誰じゃいと思いながら見に行きました。親子関係ものだと思いました。
キャロルの母は作曲家を志すキャロルに対し、教師になり安定した生活をするようにと説いたのに、キャロルが成功した時に「娘に音楽をやるようにと言ったのは私なのよ!」と胸を張ります。コメディタッチで描かれたシーンだったのですが、めっちゃ怖かったです。あと、キャロルは浮気して出て行った父親を嫌っているのに、浮気する男と結婚してしまうところとか…
怖かったです。

グランギニョル
ピースピット2017年本公演≪TRUMPシリーズ最新作≫『グランギニョル -Grand Guignol-』 作・演出:末満健一
三浦涼介くんがゴシックでお耽美な演目に出る!と聞いて見に行きました。これはね〜TRUMPをちゃんと履修してから見るべきだったと大変後悔しています。一応世界観とか用語については頭に入れて行ったのですが、ちょっと消化しきれなかったかもしれない。ラストの方のダリがウルにイニシアチブを掛けるシーンで「まあなんて未来に希望を持たせる展開なんでしょう〜」って思ったんですが、周りの人の大号泣が明らかに〜明るい未来🔆🔆🔆〜を彷彿とさせるものではなかったのが気がかりです。
ちゃんとシリーズを見ようと思いました。

邪馬台国の風/Sante‼︎(花組)
柚香光さんのお顔がびっくりするくらい良くてびっくりした。ヤバくない?ヤバかったです。
今回客席降りがあって、運良く柚香さんとサンテ!(ジェンヌさんと公演グッズのグラスで乾杯する)できたんですが、あまりにも美しい人が現実に存在するという事実に発狂しそうになりました。SAN値チェック!客降りは最高。
これまで宝塚のショー作品を生で見たことなくって、どんな風に楽しむんだろう…って思って行ったら顔がいい人々のエレクトリカルパレードみたいな感じであっという間でした。主題歌がすごく好きです。古川くんの舞台がしばらくないからヅカでも手を出すか〜と気軽に興味を持ったら想像以上に楽しい世界で抜け出せなくなりました。とりあえず全組観劇するようにしたのですが、いわゆる「大劇場」以外にも色々な劇場で公演をしているので、見られる演目が沢山あって退屈しないです。サイコーです。
ちなみに「邪馬台国」ではクガタチという単語を学べて勉強になりました。みんなクガタチってしってる?日本史好きじゃないから知らなかったよ…【ネタバレ感想】花組の邪馬台国の風がアッパー系シャブだった話 - 強く生きるこの記事を読んで、作品のあまりにも熱いトンチキズムにワクワクしていたのですが、上演の最中でかなりの手直しがされたようでトンチキズムはちょっと鳴りを潜めていて少し残念でした。(充分トンチキだったけれど) やっぱりムラまで見に行かなきゃダメなんだ……東京に来るまで座して待っていては遅いんだ………と拳を握りました。

実は古川雄大くんの舞台はもう始まってるし(「レディ・ベス」帝国劇場で絶賛上演中!)、なんなら新しいお仕事(「マリー・アントワネット」来年9月からフェルゼン役として出演!)も発表されたしそもそももう10月も半ばなんですけど、なんでこんな記事を今更書いているのかというとサボっていたからです。ソシャゲにがっちゃんがっちゃん課金してました。反省しています。意外に読んでくださる方がいると知ったので、頑張って書いていこうと思います。

*1:ロミジュリの時もそうだけどいちいちキリスト教の話になってしまうのはなぜ?って思うけどレミゼめっちゃキリスト教色強いから仕方ない