ガスコンロの火

アンチ・オール電化

若手俳優のオタクが宝塚に足を突っ込んだ結果抜けられなくなった話

3月の始まりに、古川雄大くんのミュージカル「ロミオアンドジュリエット」が閉幕して以降、次の舞台までには半年のブランクがあった。それまで大車輪で舞台に出続けていた彼のオタクの私は「ヒマ」という現実に直面したのでした。
失礼きわまりないことに、暇潰しのつもりに宝塚に手を出したのですが、結果として本気でハマってしまい抜け出せなくなってしまいました。


さて、古川くんの出た「エリザベート」「ロミオアンドジュリエット」「1789」といった作品は元々は海外産のミュージカルを宝塚歌劇団付きの演出家小池修一郎が宝塚で上演し、それを外部、つまり東宝で上演したという経緯がある

また、小池修一郎氏は、宝塚の演出家でありつつ東宝ミュージカルの演出もする、という忙しい人物で、古川雄大という俳優を殆ど未経験のなかから大きなミュージカルに引っ張り込んだ演出家である。つまり、古川くんと宝塚にはそれとなく縁があると言えます。本人もそれっぽい顔立ちだし。
せっかく暇なんだから、今まで見たことのないモノに興味を持ってみようと思いました。

まず最初に「タカラヅカスカイステージ」の契約をしました。これはほぼ1日中宝塚の舞台やディナーショーやらタカラヅカニュースやら、番組をひたすら流している狂った編成のチャンネルです。普通のCMが流れたかと思ったらやっぱり宝塚のスターさんが出演しているという……
個人的には最初にスカステに入るというのは大正解でした。ちょっと高いなあ、なんて思ってたんですが、今の宝塚のこともちょっと前の宝塚のこともなんとなく知ることができるので初心者にこそ良いかなと。円盤一本買うよりも安いですし。

スカステで好きなのは稽古場風景!カメラに向かってスターさんがファンサ?飛ばして来るのが好きなんです!!

パラパラと適当に見た中で、やっぱり印象的だったのは月組の「1789」です。
1789は古川くんが特大の当たり役のロベスピエールを演じたある意味馴染み深い作品で「人数が多いとこんなふうになるのか〜」とか思いながら見ていたと思います。

ところが、フィナーレの男役群舞*1を見て、顔が良い人たちがピシッとした揃いの衣装を着て規律正しく踊る禁欲的な美しさにこれまでに受けたことのない衝撃を受けました。これが……恋!?!?

初めて生で見たのは「SCARLET PIMPERNEL」(星組)でした。初めて見たミュージカルがイケコ先生演出の「エリザベート」だったので初めての宝塚もイケコ演出の作品でなければ…という謎のコダワリがあったからです。初ヅカなので当然宝塚劇場に行くのもその時が初めてだったのですが、ものすごくきらびやかでびっくりしました〜。ロビーのグランドピアノが公演の曲を演奏しているのとか、真っ赤な絨毯とか大きな階段とか…宝塚に来たぞ〜!という気分になりますね。私は舞台でロベスピエールを演じる人間を好きになってしまうという呪いにかかっているのですが、やっぱり七海ひろきさんのロベスピエールがめちゃめちゃかっこいいと思いました。ちょっと涼しげな目元がステキだと思います。ご本人のオタク釣り能力が高すぎるところも好きです。

スカピン以降、幕末太陽傳(つい天狼伝って書きそうになる)以外の大劇場の演目は見てきたのですが、毎回この人かっこいい!好き!!というジェンヌさんを見つけてしまいます。「ご贔屓」として応援する方はまだいないのですが、めっちゃ好き〜〜〜〜ってなる誰かを見つけたいような見つけたくないような………

最近は家族と観に行くことが多いです。この間は「真風涼帆さんに視線をもらったのは絶対に自分だ」というしょうもない主張を双方譲らずにケンカになりました。

ムラ(兵庫県宝塚市宝塚大劇場らへんのこと)にも遠征に行きました。
これは次回公演の「ひかりふる路」というロベスピエールを主人公とした作品のポスターなんですが、これが街中のあちこちに貼ってあるんです。

ロベスピエール、端的に言えば独裁者な訳で、そんな独裁者のポスターがベタベタ貼ってあるのはめちゃめちゃディストピアめいていて面白いです。"Big brother is always watching you"みたいな。*2


だいたいヅカに興味を持ってから半年程度なんですが、あっという間に過ぎてしまいました。(古川くんのヴァカンスも終わった)
毎月演目が入れ替わることもあり、色々な作品を楽しむことができました。そして、数々の顔がいい人々に沸くこともできました。マジでみんな顔が良いし足が長いのでパラダイスでした。

長々書いてきましたが、要約すると
めっちゃ楽しい!!!ということです。おしまい。

*1:男役がめっちゃかっこいい衣装(燕尾服が多い)を着てみんなで踊る

*2:1984