ガスコンロの火

アンチ・オール電化

「モーツァルト!」初日を観劇して

ザルツブルクの宮廷楽師のレオポルト・モーツァルトの5歳の息子であるヴォルフガング・アマデウスモーツァルト音楽の才能は「奇跡の子」との賞賛を受けていた。だが父は語った——「大人になったら、ただの人になってしまうかもしれません」
時は流れ、ヴォルフガング(山崎育三郎/古川雄大)はザルツブルクで領主のコロレド大司教(山口祐一郎)の下で気ままに作曲活動をしている。父レオポルト(市村正親)はヴォルフガングの奇抜にもみえる自由な振る舞いに頭を痛めていた。そんなヴォルフガングのそばには「アマデ」———「奇跡の子」と呼ばれた時のままの「才能」がいつも寄り添っている。
血気盛んなヴォルフガングは、厳しく権威的なコロレド大司教の下での仕事と生活を倦み、成功を求めてザルツブルクを飛び出した。しかし、大きくなった「奇跡の子」は子供の頃のような名声を得ることはなかった。浪費を重ねた上に母を失い、失意の中ヴォルフガングは故郷に帰る。レオポルトは相変わらず勝手な振る舞いをする息子に手を焼くが、古くからのヴォルフガングの才能を支援してきたヴァルトシュテッテン男爵夫人(涼風真世/香寿たつき)は、父の庇護下を離れウィーンでの音楽活動を勧める。
ウィーンに移り住んだヴォルフガングは、かつて出会ったコンスタンツェ(平野綾/生田絵梨花/木下春香)との仲を深め、結婚する。
ウィーンにもコロレド大司教の手は伸びていた。コロレドは、自分を愚弄し、教会の権威を冒涜するヴォルフガングの成功をことごとく阻もうとする。ヴォルフガングは3度コロレドと争い、ついに決裂する。
ヴォルフガングは大きな成功を収めるが、妻コンスタンツェとはすれ違い、また父や姉ナンネール(和音美桜)との溝は深まる一方であった。そして、ついに和解することなく父は世を去る。
1789年、フランス革命が勃発する。革命の波はオーストリアにも広がり、ヴォルフガングはこれまで貴族のために奏でられていた音楽を市民のために作ることで改革の動きに参加する。完成したオペラ「魔笛」は大人気を博し、ヴォルフガングは名誉をほしいままにする。
———そしてある晩、謎めいた人物が彼の元を訪れて「レクイエム」の作曲を依頼する。



2018.5.27 17:45公演


◆感想
すごく良かったです。今回M!という作品を初めて観劇したのですが、楽曲のパワフルさと生々しい登場人物の感情に圧倒されてしまいました。強烈でした。全然まだ咀嚼しきれていないうちに、好きな俳優の帝劇初主演の公演が終わってしまいました…笑


◆作品について

  • セット

まずセットを見て驚いたのが、銀橋があること!しばらく宝塚にハマっていたので、ここは東京宝塚劇場か!?!?としばし混乱しました。ヅカをご覧にならない方のために説明すると、銀橋とはオーケストラピットの上にある上手下手の花道をつなぐまさに「橋」のような姿の舞台のことです。世界線が違うので見ることはないだろうと思っていた古川くんの銀鏡渡りを見られて謎の感慨がありました。
制作発表では「セットはシンプルに、ピアノ一台」と聞いていたので帝劇の舞台にグランドピアノがポツン……とあるような様を想像していたのですが、全然違いました。巨大なピアノ状のオブジェがあり、盆が回ると階段であったり平地であったりと変化する感じでした。あんまりよくわかってないです。とりあえず盆は回ってました。

  • 衣装

古い衣装をあまりよく知らないのですが、何枚か追加されているようです。ヴォルフガングが黒い革のロングコートを着るのですが、ワッペンがいっぱい付いていてなんとなくモスキーノのコートみたいだなって思いました。文字が書かれていたのですがドイツ語がわからない!
ウィッグは相変わらずドレッドです。ヴォルフガングの姿が現代風なのは、彼の精神の時代との乖離や革新性を表しているのですが、それでドレッドか…とは思います。小池先生演出の韓国のモーツァルト!では、普通の巻き毛なのであっちの方が好きかもしれない……。

  • 楽曲のこと

曲は本当に好きです!DVDで見て以来、香寿たつきさんの「星から降る金」を聞きたいとずっと楽しみにしていたのでそれが実現して嬉しいです。香寿さんの厳しくも愛情と温かみのある歌声が大好きです。
破滅の似合う役者として名高い(?)古川さんだけあって、ヴォルフガングがどんどん堕ちていく最中の曲は特にうまいなあと思いました。「なぜ愛せないの」「残酷な人生」「影から逃れて」とか。面目躍如です。
いつもノーブルでスカした役が多い古川さんですが、コロレドと喧嘩する「何故だ、モーツァルト!」や「並の男じゃない」での荒れっぷりもちゃんとガラが悪かったです。お上品な役柄ばかり見て来たから忘れていたのですが、昔のイキリ川さんの片鱗を見た気がしました。

それから、今回の新演出で追加された「破滅への道」での山口祐一郎さんとのデュエットのことです。2012年、古川くんの初めて大きなミュージカルである「エリザベート」でルドルフ役を演じたときの稽古で、山口さんとのデュエットの「闇が広がる」を練習した時に泣いてしまうくらい悔しい思いをした古川さん。*1
それから5年経った今では、ヴォルフガングとコロレド大司教として、対等に戦っている!ということが嬉しく感じられました。

初日ではかなり緊張が伺える感じの歌だったのですが、多分これからこなれていくのでしょうか。楽しみです。
新キャストの中で歌が楽しみだった和音美桜さんの歌もやっぱり素晴らしかったです!でも曲が減っていて残念でした……。

  • 脚本のこと

あんまりまだ咀嚼しきれていないです。時代のうねりの中で、父権と宗教のくびきからの解放という出来事をヴォルフガングの人生を通して描いた作品なのかなって感触を得たのですが、それだと「才能が宿るのは魂か、肉体か?」というテーマに答えていない気もしますし。ただ、作品を通じて権力者というものに対してものすごく冷ややかだとは思いました。多分ドイツ語から翻訳しきれていない部分とかニュアンスが多分に含まれてそうな気がします……コロレド大司教という宗教的指導者が世俗を統治するという感覚はあまり実感がないので。もう少しまじめに調べたり考えたりしたいです。


◆古川ヴォルフガングのこと
古川さんは以前「ヴォルフガングという役を演じるには、今までの引き出しにないものを見せなければならない」と語っていたのですが、たしかにこれまでの古川では見られなかったような意外なアプローチでのヴォルフガング像で面白かったです。映像でしか知らないのですが井上ヴォルフは悪態を吐く時もどこかお坊ちゃんの反抗といった印象でしたが、古川ヴォルフは田舎のヤンキーでした。クソガキ。
「クソ喰らえ!」の巻き舌っぷりが本当にヤンキーっぽいというか…ガラが悪くて最高!!!!大好き!!!!

だからこそコンスタンツェとの恋愛もある意味割れ鍋に綴じ蓋(あんまりな表現すぎる)といった感じで面白いです。
ヴォルフガングという人物は、普通の人間には大きすぎる才能を背負って生まれてきた人なので、音楽家としてのヴォルフの姿と、等身大の人間としてのヴォルフガング像に乖離があるのは理解しやすいです。
前述したように苦悩して混乱するヴォルフガングの演技は本当に最高でした。明るい役の古川さんも好きですが、やっぱりズタボロになるときの古川さんは謎の滋味があります。
歌に関しては(かなり贔屓目だけれども) よかったです。私は好きなのですが声質で損をして、あまり目立たない歌声に聞こえる時もままあったのですが今回は「影から逃れて」でも分厚いコーラスの中響く声がとても綺麗でした。元々ロングトーンが美しいので、歌い上げ系の曲が特に良かったです。
演技に関してはかなり初日と楽での印象が変わる役者ですし、歌もこれからどんどん進歩すると思うと楽しみいっぱいです。


◆思ったこと
「僕こそ音楽」を歌い上げた時の万雷の拍手、カーテンコールでの鳴り止まない拍手が全てを語っていたと思います。

古川雄大さんが初めて帝劇0番に立つ日、そして古川ヴォルフガングの誕生を見届けられてとても嬉しいです。本当に本当に嬉しいです。

ミュージカル「モーツァルト!」製作発表記者会見

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15日には古川雄大くん主演の「モーツァルト!」製作発表記者会見に行ってきました。

 

都内のホテルの宴会場に入ると、たくさんのメディアの方とステージ、そしてグランドピアノが。「影から逃れて」がループする中待っていると、ライトが落ちて古川さんが壇上に。ピアノの伴奏とともに古川さんの歌う「僕こそ音楽」がはじまりました。歌唱披露からはじまるとは思わなくって不意打ちで驚きました…

△心なしか笑顔がぎこちない古川雄大

 

古川さんの歌う「僕こそ音楽」は去年の3月のライブでも聞いたのですが、その時よりもずっと音程は勿論、ファルセットがとても綺麗で最高でした…!当時、やたら嬉しそうに歌っていたので何か良いことがあったのかなあ、なんて思いながら聞いていたのを思い出しました。あれから約一年、まさかこんなに早く古川さんが帝劇の0番に立ち、ヴォルフガングを演じる姿が見られるとは露ほども思いませんでした……歌いきった後のニヤッとした笑顔がカワイイ!!!!!

次は生田絵梨花さんと木下春香さんの「ダンスはやめられない」この2人は去年のジュリエットで見ていたのですが、ふたりともその時よりも歌が更に上手くなっていました。特に木下さん、まだお稽古も始まっていないのに表情がコンスタンツェになっている…!

そして、続投組の山崎育三郎さんと平野綾さんの「愛していれば分かりあえる」お二人は安定感がありました。息ピッタリ。

 

演出の小池修一郎先生は、花組の「ポーの一族」の稽古のため欠席、代わりにビデオメッセージが上映されました。みんなで特大スクリーンでイケコのご尊顔を拝するという貴重な経験ができました…!

今回のモーツァルト!では、これまでの上演とは演出を変えてテンポアップし、かつ新曲を加える予定。新演出とまではいかなくても、新しいものが見られそうだと思います。古川さんに関しては「オーディションでは(作曲の)シルヴェスター・リーヴァイ氏の前で、自分が今まで知っていた古川はどこへ行ったんだ、と思うような歌を見せてくれた」とのことでした。ファンとしてすごく嬉しい言葉でした。

 

 山崎さんのお話で面白かったのが「再演のカンパニーに自分だけ初めての状態で入っていったので稽古場では非常に苦労した。小池先生には『 市村さん主演のミュージカルしか見えない!』と言われ凹んだ。けれど、山口祐一郎さんがそのたびに『育くんかっこいいよ〜』と言ってくれた」ということ。この小池先生や山口祐一郎さんのモノマネがめっちゃにてました。ちなみに、古川さんも同じように小池先生のマネをしてたんですが、全然似て無くてただのおじいちゃんみたいでした。 

 

 

だいたいレポはツイッターに垂れ流してしまったので、あんまり書くべきことは無かった…

モーツァルトは情報解禁が来てからウッキウキで、ずっとずっと楽しみにしていたのでこうして製作発表の場で、古川ヴォルフが世に出る瞬間に立ち会えたのは本当に本当に幸運なことでした。嬉しかったです。古川さんのこと好きでよかったなあ、としみじみと思いました。

 

「髑髏城の7人 Season月 下弦の月」

髑髏城、というか劇団☆新感線は前からちょっと気になっていていつか見られたらいいな〜くらいに思っていたのですが、2.5次元のオタクをころっと転がせるような「下弦の月」のキャスティングにより初めての新感線の観劇となりました。エンタメ度モリモリで面白かったです。

◆あらすじ
織田信長亡き後、かつて信長の部下であった男が「天魔王」として「関東髑髏党」を率いて秀吉の天下統一によりつかのまの平和が訪れた世の中に戦乱を起こそうとしていた。素浪人の捨之介は、一族を天魔王に殺された霧丸や遊郭経営者の蘭兵衛らとともに天魔王に立ち向かうのであった。

◆キャストについて
・捨之介(宮野真守)
すごく宮野真守だった!宮野さんは声も表情も動きも主張が激しくて、誰にも忘れられない印象を残す方だと思っていたのですが、今回はその宮野さんらしさと、捨之介の鮮やかな生き様とが重なりあうようでした。過剰なまでの生気も存在感が(わたしが宮野さんの話をするとついトゥーマッチという語彙を使い過ぎてしまう)どんどんすり減ってズタボロになっていく終盤との対比が凄かったです。歌舞いたポーズを取った時にちらりと覗くワイン色の襦袢がめっちゃ印象的。

・天魔王(鈴木拡樹)
わたしは鈴木拡樹さんのドスが効いた声がすごく好きなので天魔王の第一声聞いてヨシッ!ってなった。声優の宮野さんは当然ですが、下弦のキャストは皆声がよく通る上、声色の違いで誰が喋っているかわかりやすくて見やすかった。で、鈴木さんの話に戻るんですが、ものすごく華奢なのに「魔王」として殺戮の限りを尽くすさま、むしろ華奢だからこそその異様さが際立ったのでは?と思いました。無界屋で人を殺すたびに愉悦の表情が浮かぶのが恐ろしかったです。連番した相手が、鈴木さんについて「VS嵐で見た時とイメージが全然違って、鈴木さんだと最初気づかなかった!」と言っていてさもありなんだと思います。カテコではける時にマントをばさあっ!とするのも大変に良き。

・蘭兵衛/廣瀬智紀
蘭兵衛はオタクが好きそうな要素(美丈夫闇落ち裏の顔持ち女衒*1…)をコテコテに煮詰めたようなキャラだと思うのですが、そこに廣瀬智紀さんが充てられることで最強になってしまった。わたしは年1くらいで廣瀬さんの出演する舞台を見ては「廣瀬智紀さんの顔良すぎない?」と発狂するのですが、どうやら今年もちゃんともの旬が来たようです。とにかく顔が良い。それから動作にいちいち華と色気があってドキドキします。髑髏城に乗り込んでいくシーンで横笛を吹きつつ歩くという動作があったのですが、あまりにもそれが美しすぎて牛若丸だー!と思いました。あと闇落ちするシーンのアレ、トートとルドルフのアレ*2みたいじゃないですか。わたしはトートルドルフで気が狂いそうになったのですが、きっと髑髏城を見て同じような感慨を抱いた人もいると思います。とにかく廣瀬さんの蘭兵衛はノー思考で脳みそに浸透する「美」なのでみんな見て、髑髏城を。

◆劇場について
「客席が回る劇場」のステアラですが、正直お芝居を見るという点ではかなり出来が悪いと思います。普通の劇場では後方席に向かってゆったり傾斜がつくことで、ある程度の視界を確保しているのですがステアラは舞台の高さが低すぎるので、自分より前に座っている人間の頭の塊が舞台にめっちゃ被るんです。また、列自体は30列までしかないのにとにかく舞台までの距離が遠すぎる!ぐるぐるするのは良いけど本当に見にくいし、没入感を妨げるのでそれは残念でした。前方座ればいいのかな?それでも、一律13000円という価格を取っている以上もう少しまともな設計にして欲しかったです。本当にクソオブクソ。よくアイアがクソ劇場としての槍玉に挙げられますが、アレは視界は良好なので許容範囲です。ステアラはプレハブだし見えないし僻地だし空調おかしいしでどうかしてる。ただ、客席回るのはやっぱり面白いです。
カーテンコールで一周ぐるっと回っている様子を見せてくれるのですが、どのセットとどのセットが隣り合っているのかが種明かしするようで楽しかったです。セットは本当に凝っていました。お芝居の背景は捨象することでないものをあるように認識させますが、ステアラではセットの移動がないぶんものすごく凝ったセットが作れるんですね。まるで映像作品のような工夫の凝らされた舞台美術は本当に見ていて飽きないです。ちなみに、わたしはこの下弦を二日酔いでボロボロのグロッキーの状態で見に行ったのですが、回転が入るたびに脳みそがフラフラしてかなりきつかったです。

◆まとめ
正直あまり脚本を咀嚼しきれていないのと、なんせコンディションが最悪な状態で観劇したので(2017年最悪だった)みなさんが「一瞬だった!」という公演時間は結構長く思えました。面白いのですが、普通は「序破急」の構成だとすると髑髏城は「序破破破破破破急急急急急急急急」くらいのノリなので、だいぶ疲れます。そもそも一幕1時間半、二幕2時間という上演時間はだいぶエクストリームです。今回消化しきれなかった部分と、それからオペラを忘れてしまい見きれなかった部分があるのでもう一度行きたいのですが、ステアラはウンザリ…という気持ちが拮抗しています。多分でももう一度見にいく気がします。*3

ちょくちょくチケット戻りあるようですし、ど直球のエンタメで楽しいですし、何よりお馴染みの役者さんが出演してらっしゃるので、機会があれば是非。あ、もし行くなら何かとマチソワとかにしないことをお勧めします。

*1:本当はこの表現適切じゃない気がするけどね

*2:ミュージカル エリザベート

*3:今回ステアラの悪口の部分が1番長くなっちゃった

AiiAシアターぶっ壊そうぜ!/「超歌劇 幕末Rock 熱狂!絶頂!雷舞」

幕末Rockはコンテンツとしての最期を迎えようとしている。

幕末Rockは、マーベラスによるゲームを原作に、アニメや舞台化がされたメディアミックスプロジェクトだ。アニメが終了し、ゲームの展開も終わったと思しき今、更新されていたのは舞台版のみであった。その舞台も、この「熱狂!絶頂!雷舞」が最後であると示唆されている。そんな「最後」を悲しむファンに、音響担当はこんなことを言っている。

幕末Rockは頭のトチ狂った作品だ。

時はのちに幕末と呼ばれた時代、 天歌泰平(ソングオブピースフル)。
徳川幕府の 「天歌」(ヘブンズソング)により、民の心が奪われた泰平の世。
幕府は 「天歌」以外を歌う者を捕らえ、
愛獲(アイドル)の力、天歌による泰平化により、支配を完璧な物としようとしていた。*1

「幕府の強権な支配に疑問を抱いた坂本龍馬高杉晋作桂小五郎沖田総司土方歳三の5人がロックの力で自由を取り戻す」というのがあらすじだ(トンチキ〜)
そんなトンチキな作品で、真面目な大人が全力でバカをやるから私は幕末Rockが好きだ。

主人公の龍馬を演じる良知真次はもともと2.5でないミュージカルを舞台に活躍していた俳優で、歌唱力がすごい。沖田、土方の佐々木喜英と輝馬は2.5次元ミュージカルのおなじみである。桂の三津谷亮は、キャラクターにいつも全力で向き合っているし(あとファンサがめっちゃいい!) 高杉の糸川耀次郎はフレッシュだ。

今回のライブは悪名高きAiiAシアターで行われるのだが、音響担当が要塞のようなスピーカーを組み、アイアとは思えない音響である。そんなわけで、AiiA壊そうぜ!という言葉が出るのである。チャチいプレハブだから本当にワンチャンあるかもなんて思ってしまう。

話はそれたが、幕末Rockは本当にトンチキな作品である*2。曲が盛り上がるとキャラクターはすごい勢いで服を脱ぐし、ペリーはなぜか絶対領域チラ見せするし、死んだ人間はあっさり生き返るし、そもそもどうして幕末でRockしているのかわからない。そんな狂った作品だが、実力のあるキャストが集まって全力で狂っているので、めちゃめちゃ楽しい。だからこそ今日まで続いて来たのだと思う。

正直、幕末Rockの何がどう良いのかを言葉で伝えるのは難しい。
ノリのいい楽曲やハイテンションなパフォーマンスも、舞台を見に来たのかわからなくなるような爆音の渦も、実際に見てくれ!というしかない。


ということで、

ということで、是非興味を持った方は12/3までAiiAシアターで上演中の「超歌劇 幕末Rock 熱狂!絶頂!雷舞」を見にいらしてください。何の予習もいらないので、とりあえずキンブレだけ持ってくれば多分楽しめるし憂鬱も吹き飛ぶので*3……!!

アーカイブ配信もあるので、そちらも是非。


正直幕末Rockとかいう舞台、何がなんだかよくわからないまま見ているので、ダイマしようにも何をどう勧めればいいのかわからないです。なので、とりあえず幕末Rockを見てください。

最後って言われてるけどメチャメチャ盛り上がったら延命されるかもしれないとか思っています。なんとか生きながらえて欲しい、幕末Rockに。

*1:http://bakumatsu.marv.jp/stage-1/story.html

*2:褒めているはずなのになぜかdisみたいになってしまうのはなぜ

*3:薬事法違反

若手俳優のオタクが宝塚に足を突っ込んだ結果抜けられなくなった話

3月の始まりに、古川雄大くんのミュージカル「ロミオアンドジュリエット」が閉幕して以降、次の舞台までには半年のブランクがあった。それまで大車輪で舞台に出続けていた彼のオタクの私は「ヒマ」という現実に直面したのでした。
失礼きわまりないことに、暇潰しのつもりに宝塚に手を出したのですが、結果として本気でハマってしまい抜け出せなくなってしまいました。


さて、古川くんの出た「エリザベート」「ロミオアンドジュリエット」「1789」といった作品は元々は海外産のミュージカルを宝塚歌劇団付きの演出家小池修一郎が宝塚で上演し、それを外部、つまり東宝で上演したという経緯がある

また、小池修一郎氏は、宝塚の演出家でありつつ東宝ミュージカルの演出もする、という忙しい人物で、古川雄大という俳優を殆ど未経験のなかから大きなミュージカルに引っ張り込んだ演出家である。つまり、古川くんと宝塚にはそれとなく縁があると言えます。本人もそれっぽい顔立ちだし。
せっかく暇なんだから、今まで見たことのないモノに興味を持ってみようと思いました。

まず最初に「タカラヅカスカイステージ」の契約をしました。これはほぼ1日中宝塚の舞台やディナーショーやらタカラヅカニュースやら、番組をひたすら流している狂った編成のチャンネルです。普通のCMが流れたかと思ったらやっぱり宝塚のスターさんが出演しているという……
個人的には最初にスカステに入るというのは大正解でした。ちょっと高いなあ、なんて思ってたんですが、今の宝塚のこともちょっと前の宝塚のこともなんとなく知ることができるので初心者にこそ良いかなと。円盤一本買うよりも安いですし。

スカステで好きなのは稽古場風景!カメラに向かってスターさんがファンサ?飛ばして来るのが好きなんです!!

パラパラと適当に見た中で、やっぱり印象的だったのは月組の「1789」です。
1789は古川くんが特大の当たり役のロベスピエールを演じたある意味馴染み深い作品で「人数が多いとこんなふうになるのか〜」とか思いながら見ていたと思います。

ところが、フィナーレの男役群舞*1を見て、顔が良い人たちがピシッとした揃いの衣装を着て規律正しく踊る禁欲的な美しさにこれまでに受けたことのない衝撃を受けました。これが……恋!?!?

初めて生で見たのは「SCARLET PIMPERNEL」(星組)でした。初めて見たミュージカルがイケコ先生演出の「エリザベート」だったので初めての宝塚もイケコ演出の作品でなければ…という謎のコダワリがあったからです。初ヅカなので当然宝塚劇場に行くのもその時が初めてだったのですが、ものすごくきらびやかでびっくりしました〜。ロビーのグランドピアノが公演の曲を演奏しているのとか、真っ赤な絨毯とか大きな階段とか…宝塚に来たぞ〜!という気分になりますね。私は舞台でロベスピエールを演じる人間を好きになってしまうという呪いにかかっているのですが、やっぱり七海ひろきさんのロベスピエールがめちゃめちゃかっこいいと思いました。ちょっと涼しげな目元がステキだと思います。ご本人のオタク釣り能力が高すぎるところも好きです。

スカピン以降、幕末太陽傳(つい天狼伝って書きそうになる)以外の大劇場の演目は見てきたのですが、毎回この人かっこいい!好き!!というジェンヌさんを見つけてしまいます。「ご贔屓」として応援する方はまだいないのですが、めっちゃ好き〜〜〜〜ってなる誰かを見つけたいような見つけたくないような………

最近は家族と観に行くことが多いです。この間は「真風涼帆さんに視線をもらったのは絶対に自分だ」というしょうもない主張を双方譲らずにケンカになりました。

ムラ(兵庫県宝塚市宝塚大劇場らへんのこと)にも遠征に行きました。
これは次回公演の「ひかりふる路」というロベスピエールを主人公とした作品のポスターなんですが、これが街中のあちこちに貼ってあるんです。

ロベスピエール、端的に言えば独裁者な訳で、そんな独裁者のポスターがベタベタ貼ってあるのはめちゃめちゃディストピアめいていて面白いです。"Big brother is always watching you"みたいな。*2


だいたいヅカに興味を持ってから半年程度なんですが、あっという間に過ぎてしまいました。(古川くんのヴァカンスも終わった)
毎月演目が入れ替わることもあり、色々な作品を楽しむことができました。そして、数々の顔がいい人々に沸くこともできました。マジでみんな顔が良いし足が長いのでパラダイスでした。

長々書いてきましたが、要約すると
めっちゃ楽しい!!!ということです。おしまい。

*1:男役がめっちゃかっこいい衣装(燕尾服が多い)を着てみんなで踊る

*2:1984

「レディ・ベス」/フェリペ王子が最高な話

16世紀イギリス。
ヘンリー8世の王女として生まれたレディ・ベスは母親のアン・ブーリンが反逆罪で処刑されたため、家庭教師ロジャー・アスカムらと共にハートフォードシャーで暮らしていた。

そうしたある日、若き吟遊詩人ロビン・ブレイクと出会う。
ベスは、彼の送っている自由なさすらいの生活に心魅かれる。

メアリーがイングランド女王となると、ベスを脅威に思い謀略をめぐらすメアリーの側近、司教ガーディナーらは増長の一途をたどる。
ベスは絶え間なく続く苦境に、自分自身の運命を嘆きながらも、強く生きることを決意し、ロビン・ブレイクと密やかに愛を育む。

メアリーの異教徒への迫害が続くなか、民衆は次第にベスの即位を望むようになる。
そんな中、メアリーはベスへある告白をする…
(http://www.tohostage.com/ladybess/story.html)


2017.10.15 帝国劇場
ベス:花總まり
ロビン:加藤和樹
メアリー:吉沢梨絵
フェリペ:古川雄大

◆パッション

半年ぶりくらいの古川雄大くんの舞台を見てパッションが完全に復活しました。とってもカッコよかったです(幼稚園児)

◆作品について

「レディ・ベス」私は2014年の初演を観ていないので、今日が初めての観劇でした。「エリザベート」や「モーツァルト!」で知られるシルヴェスター・リーヴァイ作曲、ミヒャエル・」クンツェ脚本の通称クンリーコンビ*1による作品です。

大英帝国の栄華を築いた、女王エリザベス1世の少女時代の数奇な運命を描いた作品…なのですが、かなりエリザベス(ベス)を取り巻く関係が複雑だし、エリザベス1世という人物の功績もそこまで知られていないのでなかなかとっつきにくいかな……と思います。かなり政治劇の色合いが強いかもしれません。
細かいことを色々書いていると長くなりそうだし、誰も読んでくれなさそうなので我らがフェリペ殿下を中心に思ったことを書こうと思います。

◆フェリペ王子が最高だという話(重要)

古川雄大くんが演じるフェリペは、スペインの王子です。スペインの王子です。フェリペは、主人公ベスを淫売の娘として憎む異母姉の英国女王メアリーの夫として英国にやってきます。

まず登場シーンがサイコーです。

テレレ〜ンとスパニッシュなイントロと共にビリヤード台がスッ…と舞台上に現れ、スポットライトが付くと、半脱ぎのシャツと女性用のコルセットとドレスとかぼちゃパンツを纏い、女性たちと戯れる(婉曲表現)フェリペ殿下が現れます。
冷静に書いていて正気を失いそうな情景なんですけれど、本当にそうなんです。シャツは脱ぎかけだし、女物の服を着ているし、かぼちゃパンツだし、女遊びをしているんです。(振り付けが最悪に下品で最高)しかも、こんな格好でもすごく美しくってかっこいい。久しぶりに脳みそをスコーン!と殴られたような衝撃を味わいました。*2

既に無理になっているのですが、たたみかけるように歌う「クールヘッド」という楽曲が最高です。

「勝ちたければ 情け無用
必要なのは クールな頭脳
A COOL HEAD」
「おぞましい結婚相手だ メアリー!
行かず後家のブス チビなんかと」
「異端者でも ベッドで燃えるのは
若くてキレイな レディ・ベス」

散々遊んだ挙句「飽きた」とポイして去っていくのも最高でした。


次にフェリペはメアリーとの結婚にあたり、女王メアリーの治世について、その身分を隠しつつ道行く人にインタビューします。偶然通りかかったロビン(ベスの想い人で吟遊詩人)一行はメアリーの異教徒に対する厳しい弾圧と、異教徒の親玉として捕えられてしまったベスのことを訴えます。このときのフェリペの「スペインのフェリペ王子を信じなさーい」のドヤ顔がめっちゃ可愛いので必見。


メアリーとフェリペの結婚式は、お衣装がすごく豪奢で、照明が当たるとキラキラ眩しくて綺麗です。(重そうだけど…)
綺麗な婚礼衣装を纏いながらも行かず後家のブスと結婚させられるフェリペの渋面は必見です。美しいので。
式の最中、ベスから押収した禁書の聖書が届けられ、ベスをロンドン塔へ幽閉させようとするメアリー配下の司教に対してフェリペがブチ切れるのですが、その「聖書をズバーーーン!!と投げつけて周囲に怒りを知らしめる」という行動がちょっと子供っぽいというか…モラハラの気配を感じて好きでした。

……まだ殿下のシーンはあるのですが、このあたりでやめておきます。

◆フェリペについて考えたこ

◆怜悧すぎるが故の危うさ
「クールヘッド」の場面で、目を引いたのはフェリペのギラギラと怪しく光る瞳でした。このシーン、なんならギャグになってしまいそうなんですがフェリペの醸す「こいつはヤバいぞ」という雰囲気のおかげでとっても怖いです。ブスなんかと結婚しない!と言う目も爛々と輝いていて底知れぬ恐ろしさがありました。
フェリペは自分でいうように賢く冷静ですが、鋭すぎるがが故の危うさを感じました。理性の糸が常にピンと張りつめているというか……常に理性と狂気の縁を歩んでいるというか……


演技は「黒執事」のセバスチャンにちょっと通じるものがあるかもしれません。何を考えているかわからなくて、目が笑ってないところとか(笑)


そもそも美しいものって時に怖いじゃないですか。それもあってフェリペは恐ろしい人物だなと感じました。結局(いつものごとく)古川雄大くんの姿が美しいってオチになってしまいました。

◆遊んでいる理由
これはかなり穿った…というか妄想に近いのですが、

フェリペがなぜあんなに派手に遊んでいるのか、という疑問です。ただ遊び好きなのかもしれませんが、フェリペの聡明であるが故の孤独…というか、彼は周囲の人々の嘘偽りやおべんちゃらを見通してしまうが故にうつけているのではないか、と思いました。
ある種の自暴自棄と言えるかもしれません。
そう思うと、女たちと戯れているのに大して楽しくなさそうな様子に納得がいく…かもしれません。

◆ベスを助けた理由
初演ではベスとフェリペの絡みがもう少しあったらしいのですが、再演ではワインのシーンしかない!残念!!
フェリペはベスの身を幾度も助け、最終的には死の危険に迫られたベスをギリギリのところで救います。

しかし、その根底は騎士道精神ではなく「ベスの自由を求める反乱が起きれば自身の身が危ない」とか「スペインの国益」「己を操ろうとするルナールへの牽制」にあると思います。つまり、ベスが助かったのはあくまでオマケで、フェリペは自分(とスペイン)の利益を追求していただけではないか?と思います。「情け容赦はしない」フェリペが、ベスに温情を掛けるとはあんまり考えられません。

ですが、ベス……エリザベス1世は、物語の後年スペインが誇る無敵艦隊を木っ端微塵に粉砕し、スペインの栄光は終わりを迎えます。
作中でフェリペは去り際に「ベスと結婚しておくんだった」と吐き捨てます。もしフェリペがベスと結婚していたら、おそらくスペインが英国に大敗を喫することはなかったと思うのです。聡明なベスが女王に即位したら、スペインの国益が損ねられるかもしれないというフェリペ殿下の冷静な理性が弾き出した結果と、若くて綺麗な女と結婚したいという本能とが同じ結論に至ったのが面白いなあと思いました。

◆余談

ベスについて最も評判が悪かった歌詞については割とずっこける部分が多く
メアリー「赤ちゃんは幻〜〜」(言葉選びなんとかならない?)
ロビン「(歌は)めちゃウマさ〜」
と現実に引き戻されるような詞がちらほらあって閉口しました。クールヘッドはアレでいいんだけれど。

それから楽曲ですが、例えばエリザベートの「私だけに」のようなコレ!という曲が無かったのが残念です。全体を通して記憶に残るメロディが少なく、おまけに歌詞もイマイチなので音楽に関しては面白みがないです。

セットはとても綺麗でした。大きなホロスコープが八百屋舞台になっていて、その上に天球儀が置かれた装置が開幕前から見えて、世界観にすぐに引き込まれました。
それから衣装も豪華で凄いです。ベスは何度も着替えがあるんですが、どのドレスも上品で素敵でした。ちなみにロビンは流れ者らしく着た切り雀です。

余談ですが、面白くない舞台について私はコメントに困るとセットと衣装を褒めてしまいがちです。別にベスが面白くないって言いたいわけじゃないんだけど。*3

◆感じたこ

レディ・ベス、初日明けてから随分経ってから見に行ったのですが想像以上に楽しくて次の観劇が待ち遠しいです。しばらく古川雄大くんの舞台での姿を見ていなかったのですが、雑誌やネットでの写真よりも随分とほっそりして「好きやん…」という感情しかありません。もともと好きだったし、美しさもわかっていたんですがお久しぶりだったせいでよりその「美」が衝撃的でした。半年も見てなかったんだよ?

去年は年中無休で舞台やってたのでオッ今日も古川雄大くんは綺麗ですね〜(飲み屋で暖簾をくぐって大将やってる〜?と尋ねるノリ)という感じだったんですが、今年はフレンチのフルコースを前にするような気合いで古川くんの美に向き合ってしまいます。何言ってるんだかわからなくなってきました。

ここまで文字数を費やしてきたのですが、ベスとロビンというメインカップルについて全く触れることなくきてしまいました。なので、お時間のある方はチケットまだあるので是非レディ・ベスを見にいらしてください…!!

*1:誰が言い出したんだよこれ

*2:1回目は古川ルドルフと城田トートの「マイヤーリンク」

*3:たまに衣装もセットも褒められない舞台もあってどうしたらいいかわからなくなる

7・8月観劇録

お久しぶりです。気がついたら10月ですね(遅いよ)
この夏は古川ロベスピエールへの愛を拗らせてパリに行ったため充実しておりました。(計画を立てた時点では古川くんがロベスピエールやると思ってた やめようこの話は) ロベピエオタクツアーについてはいずれエントリを書きたいと思います。めっちゃ充実した夏だった!

レ・ミゼラブル

レミゼのチケットとりあえず取ったんだけれど上原理生くんのアンジョルラスも見たかったんだよね、と知り合いに話したら「今年で多分最後だから見たほうがいいよ!」と譲って頂けました。おかげで吉原バルジャベの両方も見ることが出来ました。個人的には吉原バルジャン岸ジャベが好きな感じでした。岸ジャベールからほんのり漂う官僚っぽさとノーブルさが好きなのかもしれません。肝心の上原アンジョですが、出て来た瞬間「めっちゃりおくんじゃん!」と思いました。役者が前に出て来ているという意味ではなく、上原くんそのものがアンジョで、アンジョが上原くんである…みたいな。役者と役の強い共鳴が、アンジョルラスとおう人物の持つカリスマ性に説得力を与えているようでとてもよかったです。歌声や演説の力強さと、死して荷車に乗せられた姿のキツい対比も、「強そう」な上原さんだとより胸に迫るものがありました。とても良かったです。

レミゼという作品は好きですが、1幕の苦しさと観劇し終わったあとの重さとでもう2度と行きたくない!という気持ちになります。もう勘弁と言うと貶しているようですが、そうではないんです。作品の登場人物にいちいち同情したり感動したりと大変忙しく疲れてしまうのです。これはある意味、「もう見たくない」が褒め言葉になる稀有な作品ではないかな…と思います。

ちなみに、私の好きなシーンは司教が燭台をバルジャンに与えるシーンと、天に召されたバルジャンをねぎらうように司教が肩を叩くシーンです。聖書に「憐れみ深い人は幸い/その人は憐れみを受けるだろう」という言葉があるのですが、私はその意味するところをレミゼを見て初めて本当にわかった気がします。バルジャンは司教の憐れみ——憐憫ではなく——を受け改心し、人生の全てを他者への「憐れみ」の実行に捧げます。そんなバルジャンの生を司教が祝福しに表れるの、まさに魂の救済だな〜と思いました。いちいち表現が宗教宗教していてちょっと引きますね。
*1

とまあ、レミゼのことは好きなのですが、マジでもう2度と見たくないです。でも、再演ではまた行くしその時も「もうレミゼは見ねえ〜〜!!」と言いつつ涙を拭いてそうな気がします。

・Beautiful
帝国劇場 ミュージカル『ビューティフル』
シンガーソングライターのキャロル・キングの半生のミュージカルなんですが、無学ゆえにキャロルキングって誰じゃいと思いながら見に行きました。親子関係ものだと思いました。
キャロルの母は作曲家を志すキャロルに対し、教師になり安定した生活をするようにと説いたのに、キャロルが成功した時に「娘に音楽をやるようにと言ったのは私なのよ!」と胸を張ります。コメディタッチで描かれたシーンだったのですが、めっちゃ怖かったです。あと、キャロルは浮気して出て行った父親を嫌っているのに、浮気する男と結婚してしまうところとか…
怖かったです。

グランギニョル
ピースピット2017年本公演≪TRUMPシリーズ最新作≫『グランギニョル -Grand Guignol-』 作・演出:末満健一
三浦涼介くんがゴシックでお耽美な演目に出る!と聞いて見に行きました。これはね〜TRUMPをちゃんと履修してから見るべきだったと大変後悔しています。一応世界観とか用語については頭に入れて行ったのですが、ちょっと消化しきれなかったかもしれない。ラストの方のダリがウルにイニシアチブを掛けるシーンで「まあなんて未来に希望を持たせる展開なんでしょう〜」って思ったんですが、周りの人の大号泣が明らかに〜明るい未来🔆🔆🔆〜を彷彿とさせるものではなかったのが気がかりです。
ちゃんとシリーズを見ようと思いました。

邪馬台国の風/Sante‼︎(花組)
柚香光さんのお顔がびっくりするくらい良くてびっくりした。ヤバくない?ヤバかったです。
今回客席降りがあって、運良く柚香さんとサンテ!(ジェンヌさんと公演グッズのグラスで乾杯する)できたんですが、あまりにも美しい人が現実に存在するという事実に発狂しそうになりました。SAN値チェック!客降りは最高。
これまで宝塚のショー作品を生で見たことなくって、どんな風に楽しむんだろう…って思って行ったら顔がいい人々のエレクトリカルパレードみたいな感じであっという間でした。主題歌がすごく好きです。古川くんの舞台がしばらくないからヅカでも手を出すか〜と気軽に興味を持ったら想像以上に楽しい世界で抜け出せなくなりました。とりあえず全組観劇するようにしたのですが、いわゆる「大劇場」以外にも色々な劇場で公演をしているので、見られる演目が沢山あって退屈しないです。サイコーです。
ちなみに「邪馬台国」ではクガタチという単語を学べて勉強になりました。みんなクガタチってしってる?日本史好きじゃないから知らなかったよ…【ネタバレ感想】花組の邪馬台国の風がアッパー系シャブだった話 - 強く生きるこの記事を読んで、作品のあまりにも熱いトンチキズムにワクワクしていたのですが、上演の最中でかなりの手直しがされたようでトンチキズムはちょっと鳴りを潜めていて少し残念でした。(充分トンチキだったけれど) やっぱりムラまで見に行かなきゃダメなんだ……東京に来るまで座して待っていては遅いんだ………と拳を握りました。

実は古川雄大くんの舞台はもう始まってるし(「レディ・ベス」帝国劇場で絶賛上演中!)、なんなら新しいお仕事(「マリー・アントワネット」来年9月からフェルゼン役として出演!)も発表されたしそもそももう10月も半ばなんですけど、なんでこんな記事を今更書いているのかというとサボっていたからです。ソシャゲにがっちゃんがっちゃん課金してました。反省しています。意外に読んでくださる方がいると知ったので、頑張って書いていこうと思います。

*1:ロミジュリの時もそうだけどいちいちキリスト教の話になってしまうのはなぜ?って思うけどレミゼめっちゃキリスト教色強いから仕方ない